2008年10月11日

『美女と野獣』舞台設営取材&監督インタビュー(2) 

 
―前回の続き―

本日10月11日(土)より、東京エレクトーンホール宮城(宮城県民会館)にて、劇団四季ミュージカル『美女と野獣』仙台公演がいよいよ開幕しました。劇団四季では創立以来、東京を基点に名古屋・大阪・福岡といった都市圏で専用劇場を展開していますが、大きな課題となっていたのが、中核都市と呼ばれる仙台・静岡・広島などでの大型作品のロングラン公演でした。これまでもこの3都市でも上演は行っていましたが、会場の確保や劇場条件の問題などから、長期間の劇場使用と大掛かりな舞台回収を必要とする大型ロングランは難しいとされてきました。


これらの問題を解決すべく、地元行政や各団体、マスコミ関係などが協力をし、初めて実現したのが2001年の『オペラ座の怪人』3都市ロングラン公演でした。この「日本初・公共ホールでの大型ロングラン公演」では、2ヶ月間で11万5千人を仙台で動員し、以後『キャッツ』(2003年)でも5ヶ月14万5千人を記録しています。これら成功の裏側には、舞台監督以下、設営スタッフの並々ならぬ努力と苦労があったのはあまり知られておりません。


ということで今回は、公演に先立って先日行われました舞台設営作業の模様と、舞台監督、木村謙介さんへのインタビューということで取材をしてきました。

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セットというよりは一つの建物を建てている感じ




― 「だてBLOG」といいます。本日は宜しくお願いします。

木村監督(以下:監) 宜しくお願いします。

―  お聞きしたいことがたくさんあるのですが、まずはこの
   舞台設営の内容について教えていただけますか?


監: はい。先日14日(取材日は9月28日)が静岡公演の
   千秋楽だったのですが、それから3日ほど間を空けて、
   18日からこちらの設営に入っています。機材やセット
   は11 トントラック40台分あるので、セットというよりは
   一つの建物を建てているというような感じですね。
   今もこのように工事現場のような状況です(笑)。


― 11トントラック40台!それは相当な量ですね。


監: このホールは市内の大通りに面していますから、大き
   い機材などは4トントラックなどで分けて運んだりしたの
   で、実際はもっとかかりましたね。細い路地や一方通
   行などもあり、機材搬入に関しては多少大変な部分も
   ありました。でも仙台は綺麗だし好きな街ですから全然
   問題なかったですよ(笑)。今日はちょうどメインのお城
   の設営中です。これが完成したら、照明・音響のチェッ
   ク、テクニカルリハーサルにそれぞれ3日間、そして舞
   台稽古に4日間あてて、翌日から初日です。なので準
   備には約3週間かかりますね。


― 予想以上に準備に時間と手間がかかりますね!すごい
   です・・・。今皆さん一生懸命舞台を設営していらっしゃ
   いますが。スタッフの方々は何名くらいいるのですか?


監: 搬入から設営、音響照明他全て含めると100名くらい
   です。そのうち劇団として帯同しているのが30名程な
   ので、地元で集まっていただいているスタッフの方が
   多いですね。普通の舞台や演劇と比べても、かなり
   多い人間が携わっています。


― 100名・・・。すごいですね。それだけのスタッフを束
   ねるにあたり、木村監督が信念として伝えていること
   などはあるのでしょうか?


監: 怪我やミスがない様にというのは当然ですが、まず
   は、完成後に必ず公演を見るように言っています。
   現地で集まってもらったスタッフはもちろんですが
   帯同しているスタッフに関しても、その場所場所に
   よって舞台は変わりますし、やはり自分達がつくり
   あげたものがありきで作品が成り立っているという
   誇りはもってほしいですからね。


― 素晴らしいと思います(感動)!
   ところでホールはいかがでしょうか?


監: いいですよ。特に舞台の幅がワイドなのがいい。演者
   がのびのびと出来ますし、セットも見栄えます。
   ちなみにこの舞台は、通常のステージよりも70センチ
   くらい前に張り出しているところが特徴なんです。それ
   が臨場感を出すわけです。




― なるほど。舞台転換とか切り替えのシーンとかは大変
   ではないですか?(昔コンサート会場や舞台のバイトを
   していたので気になる)


監: そうですね。でも舞台はシーンごとにプログラムされて
    いて80%はコンピューターで動かされますから、そん
    なには大変ではないです。大きい舞台装置が短い
    秒数で動かされる模様は圧巻ですよ。


― 言える範囲で結構ですが舞台にかかっている予算は
   いくら位なのでしょうか・・・?


監: そうですね・・・。全て含めると○億はかかっています。
   二桁はいっていません(笑)。それでも全てブロードウェ
   イから輸入していた13年前に比べたらよくなっていま
   す。昔は着ぐるみも本場と同じものを使っていたので
   すが、これが重い!(笑)。向こう(欧米)とかの人に合
   わせたものは日本人にはきついですよね。
   特にビースト。当時は中に入っている演者も必死でし
   た。もちろん、今は日本人にあった軽量で動きやすい
   ものになっています。


― 個人的にすごく伺いたい質問なのですが、木村監督
   はどういった経緯で現在に至っていらっしゃるのでしょ
   うか?


監: 私ですか?もともと舞台関係の仕事を希望していた
   のですが、25年前に初めて見た『キャッツ』に感動し
   てですね、「こういう舞台を作っている人たちがいる
   んだ!自分も作りたい!」って思い、その後運よく
   劇団四季のスタッフになることが出来たんです。
   有難いことに希望の道に進めたということになり
   ますね。


― 初志貫徹!すごいですね。でもご苦労もあったのでは
   ないですか?


監: それはありましたよ。でもブロードウェイのスタッフと交
   流してすごく刺激を受けましたし、向こうの感動をその
   ままもってくる技術を身につけれたことは貴重な経験
   です。こんな大規模なものを全国にもっていけるって
   すごい!って思いますし、本当にやりがいを感じます。


― 最後になりますが、木村監督から見た今回の『美女と
   野獣』の注目点を教えてください。


監: そうですね。やはり私などは裏方なので、演じるメンバ
   ーはもちろんですが、特に注目していただきたい点で
   言うと、シーンチェンジがかなり早いというか目まぐる
    しく展開するところでしょうか。物語の重要なポイント
    にも繋がってくるので、そこらへんを見てもらいたい
    ですね。あとは1回見た後にもう2回目、3回目と見て
    もらえると、セットがこう動いているとか、こういう仕掛
    けなんだ?とか、余裕を持って新しい観点でも楽しん
    でいただけるので、是非何度も足を運んでいただける
    と嬉しいですね。


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 紳士的で落ち着いたいでたちの木村監督でしたが、実際にお話を伺ってみると、淡々とした口調の中に、舞台にかける思いやこだわり、そして誇りというものを強く感じました。普通だと思っていた舞台が、実は長年にわたって苦労してつくりあげた「結晶」というのが分かっただけでも、本公演を見た際の面白さは倍増でしょう。残念ながら仕事が入ってしまい、昨日行われたプレス用リハーサル見学会にはいけませんでした(涙)が、私も最低2回は見に行きたいと思います。


『美女と野獣』 仙台ロングラン公演

◆公演期間   2008年10月11日(土) ~
           チケットは10月11日~11月30日まで発売中

◆会場      東京エレクトンホール宮城 (宮城県民会館)
           仙台市青葉区国文町3-3-7       

◆料金      S席11.550円/A席9.450円/B席6.300円/C席3.150円
           ※ウィークデイマチネ公演
           S席10.500円/A席8.400円/B席5.250円/C席2.100円

           ※ファミリーゾーン(S席 A席子供料金ついて)
           各公演S席の一部(1回広報及び2階席)、A席の全てで
           下記子供料金を設けます。
           料金: S席11.500円 → 一律6.300円
                A席 9.450円 → 一律4.200円
           対象: 3歳以上小学校6年生以下

◆上演時間    約2時間45分(休憩20分含む)

◆お問合せ    劇団四季 仙台オフィス
           〒980-0014 仙台市青葉区本庁2-16-2仙台商工会議所1F
           TEL 022-722-5155 FAX 022-265-2276
           ホームページはこちら

<プレゼント>
・オフィシャルパンフレット
・クリアファイル
・バインダー
・メモ帳(2冊)
・クレヨン
・手提げ袋



以上ワンセットで3名様にプレゼントします。


<応募方法>

住所・氏名・年齢・電話番号を明記の上、
こちらまでご応募願います。
締め切りは11月5日(水)
商品の発送を持って代えさせていただきます。



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Posted by だてBLOG編集長「だておとこ」 at 17:57│Comments(0)インタビューしました
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